精神療法(心理療法)について > 認知療法
認知療法は、もともとはうつ病の治療法としてはじめられたものです。
ものごとに対する捉えかたや受け止め方を認知と呼びますが、うつ病の人にはその認知にゆがみがあるとされています。
それを修正していこうというのが、認知療法です。
心が健康の時には、現実と認識の間にそれほどズレはありません。
ところが、強いストレスや不安感などで心理的な不調が生じると、考え方に柔軟性が失われ、認知にゆがみが生じてきます。
うつ病患者によく見られる認知のゆがみには次のようなものがあります。
・勝つか負けるか、正しいか間違ってるかなど、二者択一的な思考になり、中間的な考えができなくなる
・極端な一般化。ひとつのことがうまくいかないと、自分はなにをやってもうまくいかないに違いないなどと考えてしまう
・小さな失敗などをとことん拡大解釈し、逆に成功体験は過小評価する
・どんなによい出来事でも、悪い方へ悪い方へと考えるマイナス思考
・悲観的な結末ばかり予想してしまう
・「絶対に・必ず〜すべき・しなければならない」など、柔軟性のない考え方にとらわれてしまう
認知療法では、このような考え方のゆがみを修正していきます。
治療は、患者と治療者とのいわば共同作業でおこなわれます。
患者のものの見方が本当に正しいかどうかを検討し、もっと別なものの考え方ができないかどうか話し合い、いっしょに考えていきます。
それによって治療者は、悲観的で非現実的な認知のゆがみを修正し、患者がより現実的なものの見方ができるように援助していくわけです。
一般的には、認知療法は比較的軽いうつ病患者が対象になります。
また、うつ病以外に、恐怖症(恐怖神経症)、摂食障害などの治療でも行われることがあります。